コラム

2025.11.20

潰瘍性大腸炎の痛みはどんな感じ?部位や強さ・緩和方法を解説

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症が起こることで腹痛や下痢、血便などの症状を引き起こす病気です。特に「痛み」は患者さんが日常生活で最も悩まされやすい症状のひとつで、痛みの場所や強さ、感じ方にははっきりとした特徴があります。
この記事では、潰瘍性大腸炎の痛みがどこに、どのように現れるのか、そして痛みを和らげるためにできることをわかりやすく解説します。

潰瘍性大腸炎の痛みはどこに出る?

潰瘍性大腸炎による痛みは、大腸のどこに炎症が生じているかで場所が変わります。もっとも多いのは「下腹部」の痛みです。これは、炎症が直腸やS状結腸に起こるケースが多いためです。一方で、炎症が上行結腸や横行結腸にまで広がると、みぞおちやおへそ周りに痛みを感じる方もいます。
痛みの場所の例としては、

  • 下腹部の重い痛み、差し込むような痛み
  • 左下腹部(S状結腸付近)の持続的な痛み
  • 排便前にギュッと絞られるような痛み

と表現されることが多く、患者さんによって感じ方はさまざまです。

どんな痛みがあるか?

潰瘍性大腸炎の痛みは「種類が一つに限定されない」という特徴があります。
同じ「腹痛」といっても、患者さんからは次のようにさまざまな表現が聞かれます。

  • 差し込むようなキリキリした痛み
  • 重だるさをともなう鈍い痛み
  • ガスが溜まったような張った痛み
  • 排便前に強くなるギューッとした痛み

特に多いのは「排便前に強く痛み、排便後に少し楽になる」というパターンです。大腸の動き(ぜん動運動)が活発になるタイミングで痛みが強まり、便が出ると一時的に落ち着きます。ただし、炎症が強い場合は排便後も痛みが改善しないことがあります。

どれくらいの痛みの強さか?

潰瘍性大腸炎の痛みは、炎症の程度によって大きく変わります。初期や軽症の場合は「我慢できる程度の痛み」で済むことがありますが、炎症が広がると強い痛みが長く続くことがあります。
軽症〜中等症では、

  • 通勤中に腹痛でトイレに駆け込む
  • 会議や授業に集中できない
  • 朝の準備が進まない

といった生活上の支障が出ます。
重症化すると、

  • 1日に何度も差し込む痛みで動けない
  • ほとんど食事がとれない
  • 夜中にも痛みで目が覚める

といったほど強くなるケースもあります。
痛みが強くなってきた場合は、炎症が進んでいる可能性が高いため、自己判断で様子を見るのではなく、早めに医療機関へ相談することが大切です。

痛みと一緒に起こりやすい症状

腹痛は単独で起こるだけではなく、多くの場合は他の症状とセットで現れます。
よくある組み合わせとして、

  • 血便
  • 便の回数が増える
  • 下痢・軟便
  • 残便感
  • 発熱
  • 食欲低下
  • 全身のだるさ

などがみられます。とくに「痛み+血便+下痢」の3つが揃うと、潰瘍性大腸炎が疑われます。

痛みを和らげる方法はあるか?

潰瘍性大腸炎の痛みは、炎症が原因で起こります。そのため、根本的には「炎症を抑える治療」が必要ですが、生活の中で痛みを軽減する工夫もいくつかあります。

① 腸に負担をかけない食事にする
消化の悪い脂っこい食事や香辛料の多い料理は、大腸に刺激を与え痛みを悪化させることがあります。
寛解期・再燃期に合わせて食事を工夫することが大切です。

お腹を冷やさない
寛解期・再燃期に合わせて食事を工夫することが大切です。
腸が冷えると血流が悪くなり痛みを感じやすくなります。腹巻きや温かい飲み物で対策しましょう。

ストレスを溜めない
ストレスで自律神経が乱れると、大腸の動きが不安定になり痛みが悪化することがあります。睡眠・休息も意識しましょう。

医師の処方薬で炎症を抑える
最も重要なのは「適切な薬物治療」です。
アミノサリチル酸製剤、ステロイド、生物学的製剤など、症状に応じた治療があります。痛みだけを抑える鎮痛剤は腸に負担をかけるものもあるため、自己判断での使用は避けましょう。

こんな痛みがあるときは早めの受診が必要

次のような痛みや症状が続くときは、炎症が悪化しているサインかもしれません。

  • 痛みが以前より強くなってきた
  • 1日に何度も差し込む痛みがある
  • 夜も痛みで眠れない
  • 痛みと同時に血便の量が増えてきた
  • 食事がとれないほど痛む
  • 微熱が続く、体重が減ってきた

これらに当てはまる場合、早めに消化器内科を受診することをおすすめします。

痛みの背景には「炎症」の存在がある

潰瘍性大腸炎の痛みは、そのほとんどが“炎症がある”というサインです。
炎症が続くと腸の粘膜がダメージを受け、症状が悪化したり再燃をくり返したりします。
そのため、

  • 痛みがあるからこそ早期治療が必要
  • 放置すると治療が長引いてしまう

という点を理解しておくことが大切です。

まとめ

潰瘍性大腸炎の痛みには、以下のような特徴があります。

  • 下腹部を中心に痛むことが多い
  • 排便前に痛みが強まることがある
  • 張ったような痛み・重い痛み・差し込む痛みなど種類はさまざま
  • 炎症が進むと強い痛みへと変化する
  • 食事・冷え・ストレスなどが痛みを悪化させる

痛みは身体からの重要なサインです。
違和感の段階でも早めに医療機関へ相談することで、腸の炎症を抑え、日常生活の負担を大きく減らすことができます。
長浜クリニックでは、経験豊富な消化器専門医が潰瘍性大腸炎の診療を行っています。症状に心当たりのある方は、お気軽にご相談ください。

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